理事長 金 修よりご挨拶を申し上げます

3大経営資源が「金」「モノ」「人」だった?

6月に2023年度の社員総会を終え、実質6年目の活動に入りました。そして7月に昨年12月に開催したカンファレンスに続き、「iCDが拓く人的資本経営への道」とのコンセプトで、iCDカンファレンス2023夏を開催し、多くの参加者から高評価を頂き終えることが出来ました。
アーカイブ配信を9月30日まで行っておりますので、是非ご覧頂きたいとと思います。

「iCDカンファレンス2023夏」アーカイブ配信のお知らせ | iCDA

我が国の国際比較数字が年毎に悪くなってきており、「人的資本経営」が当たり前に言われるようになってきた今日ですが、改めて「人」の重要さが見直されています。

経営の3大資源は?と問われれば、「人」「モノ」「金」と、何の疑いもなく、この順番で言ってきましたが、実はこれまで「金」「モノ」「人」の順番だったのではないでしょうか。加えて、「人」を資源(Resource)とする事によってコストと考え、「金」のためにいかに「人に関するコストダウン」をするかとのオペレーションを色濃く行ってきた事は否めません(自戒を込めて)。

しかし、人は資本(Capital)であって、消費するものではなく、より有効に活用していかなくてはならないという事を説いているのが、「人的資本経営」です。イノベーションを実現する新事業の発想や企画は、「人」が原点です。当たり前の事ですが、モノや金が生み出すわけではありません。しかし、結果として「人」に対しての考え方や施策が表面的であったり、後回しとしてきてしまった結果の成績表が今日の日本の状況であると、先に紹介した伊藤レポートで厳しく指摘されていると思っております。

この結果を、手を子招いて見ているわけにいきません。わが日本の人材には高い潜在力がある事は皆が知っています。この人的資本を如何に活用するか、回転させるかが人的資本経営であり、これからの日本にとって最も大事な事柄です。

しかし、「人」の本質的な実態や施策の結果を把握する事は決して容易な事ではありません。一方、見えない事には手の出しようがありません。伊藤レポートでもKPIを設定する上で『大事な資本である人の可視化』がこれからの経営戦略として大事な戦略の一つであると指摘しており、つまり『人事戦略2.0』と言えるのかも知れません。この事を真から理解していただいている経営者や上位管理職は、まだまだ少ないと感じています。

当協会は経営戦略と人事戦略の強い結びつきを当初から訴え続けてきており、iCD認証企業の各社は愚直にこの事に取り組み、大きな成果を享受されています。日本企業が大きなパラダイムシフトに直面している今、『人に関する諸施策』に関して積極的にお手伝いをさせていただき、我が国の人的資本経営の定着に貢献すべく、これからも活動してまいります。

2023.8
一般社団法人 iCD協会
理事長 金 修