事業戦略をiCDベースのキャリアパスとして
社員が理解しやすい形に

阪口 紗千子 様 仁藤 浩憲 様 渡部 真吾 様

会社のご紹介

サン・エム・システム株式会社様は金融や通信、モバイル、産業、流通、公共など、業種業態を問わない多様な企業に対して価値あるITソリューションを提供しております。 自社製品「G-COMPATH(iCD活用ツール)」や、「Inc-Resu(エンゲージメントサーベイツール)」の製造及び販売を行っております。

サン・エム・システム株式会社

設立:1997年6月
従業員数:318名(2021年4月現在)
事業内容:エンジニア派遣/受託開発/基盤(インフラ)構築/運用保守/DX推進/PowerAppsトレーニング/G-COMPATH/Inc-Resu

URL:https://www.sun-m.co.jp/

取り組みについてお伺いさせてください

 弊社は市場のニーズと技術進化に迅速に対応し、お客様の様々な悩みをITで解決し価値あるソリューションを提供すること目的に活動を続けております。その活動を支える「人」を育てることに着目し、社内に人材育成タスクフォース(TF)を設置し、iCD活用と人材育成を関連付けて運用しております。

 

iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください

 業務経歴書や取得資格だけでは測れない、社員のスキル状況を計測する「ものさし」になるものを探していました。

 ITSSとも迷ったのですが、「スキル(手段)」を測るより「何ができるのか」を可視化したいという思いの方が強くありました。 スキルは時代変化とともに変わるため、スキルをメインではなく「何を成せるのか」を計測分析して社員育成に活用するためにタスクディクショナリを持つiCDの導入を決定しました。

 

 

執行役員 ITインフラソリューション本部 本部長 仁藤 浩憲 様

iCDをどのように活用されていますでしょうか

技術本部 新規ソリューション開発グループ 兼
案件管理・品質保証グループ 部長 渡部 真吾 様

 社内で立ち上げた人材育成TFで事業戦略に合わせた人物モデルを「役割」と「キャリアパス」に落とし込むことから始めました。社員自身が会社の方針に沿ってキャリアパスを選択できるように整備し、目標を立てて自己研鑽に励むようにしています。

 また、キャリアパスに合わせて研修コースを用意し、毎年1年をかけたカリキュラムを実施し、各自が目指す役割を担う「知識」を育てる施策を実施しています。役割・キャリアパスは年度ごとに見直しをして、研修カリキュラムに適用しております。

 各自の業務遂行能力は自社システム「G-COMPATH」で自己評価入力~レポート化まで行い、「役割」に対する達成度を可視化できるようにしております。システムを活用することで社員の評価データを集めやすくなりました。

 評価データの更新は半期に1回実施しており、そのたび設定した役割とタスクが事業戦略にマッチした定義になっているか分析をすることで、次回施策の見直しにも役立てています。 2022年度下期からは人事評価制度にも組み込みました。

取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。

 人材育成TFを立ち上げる際に、メンバーをアプリ部門とインフラ部門から、経営層/部門長/管理職/一般職という様々な立場の社員を交えたことでいろんな視点で検討推進できたことは良かったです。G-COMPATHの存在も大きく寄与しています。社員に見せたいポイント、促したいポイントを思考錯誤しながらシステムに取り入れつつ根気よく社員への利用を促したことで社員に意識付けができたと思います。TF内で役割分担をし、責任者を配置して「受け身」「待ち」状態とならないようにしたことでもiCD導入の推進力になりました。

 また、事業戦略をキャリアパスとして表現することで、社員自身が「これから育つべき方向性」が見えるようになりました。社員自身が会社の方針に納得して、自らキャリアパスを選択するようにしたことを大きい要因だと思います。

 2022年度新規からは給与にも影響する人事評価制度に組み込んだことで、社員自身が自己成長に対する意識も変わりました。社員全体で言うと、キャリアパスがあることで将来像の解像度が上がりました。

 また部下の面倒を見るマネージャー層が、部下育成に本腰を入れ始めたので、マネージャー層の意識改革にもつながりました。 成長している社員に対しても、評価者による感覚的な評価ではなく正当な評価ができるようになりました。

技術本部 新規ソリューション開発グループ 主任 阪口 紗千子 様

iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか

 今までいろいろな人材育成の施策をしてきても、いまいち効果が測りにくく次の施策見直しにつなげることができなかったのですが、iCDの評価データや、勤怠等会社が持つ様々なデータと組み合わせて分析することで、社員の成長要因・阻害要因を発見することができたので、より効果の高い教育施策の見直しに役立てることができました。部門別に弱いタスク、強いタスクを可視化することで、部門長が担当部門の育成プランの見直しにも活用できるようになったのも大きいです。

 また、社員自身が自分のレベルを把握することで、自身の立ち位置を自己認識できるようになったので、社内の社員教育が標準化してきていると実感しています。 社員自身が自分のキャリアパスに合わせて、どう自己研鑽していけばいいかがタスクレベルでわかるようになったので、今後どのような経験を積めばいのかが上司と部下の間で共通認識できるようになりました。

今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか

 iCDとあらゆる人事データと組み合わせた多角的分析で課題の根本原因の把握および施策見直しにつなげられるようなデータ分析の精度向上を目指しています。また、タスク診断だけでは拾えない「スキル(手段)」の成長の可視化し、具体的な会社の武器を研ぎ澄ますため、ITSS+やスキルディクショナリ、独自のスキルディクショナリ定義の活用を検討しています。iCDと様々なスキル標準と人事データのコラボレーションで生まれる良い効果測定を目指しています。 良い効果のあった施策はぜひG-COMPATHに取り入れたいですね。

※ 十分な距離を開けて取材をさせて頂いております。