iCD導入でキャリア面談に道標を生成
第三者検証分野の独自新タスク内容がキャリアの共通言語に

推進メンバーの皆様
大熊浩様 山本大地様

会社のご紹介
日本ナレッジ株式会社様は、検証専門会社の知見と豊富な検証実績に基づく第三者検証サービスの提供と、30年携わり続けた基幹業務パッケージ開発経験を活かしたシステム開発をされているユーザ志向の情報サービス企業様です。

日本ナレッジ株式会社
設立:1985年10月
従業員数:303名(2021年4月現在)
事業内容:SIサービス・ソフトウエア開発/ セキュリティ製品開発、販売/カスタマーサクセス事業/検証事業

URL:https://www.know-net.co.jp/

取り組みについてお伺いさせてください

 弊社には社長指示で「キャリアパス制度ワーキンググループ」が設置されております。各自が目指すべき人物像を具体化して目標設定をしやすくし、さらにはその目標への道のりを上司がサポートしやすくする仕組みや体制を、評価制度の改革や人材育成の改善も行いながら策定しているグループです。私たちは、そのワーキンググループを運用しているメンバーです。

 

iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください

 2017年当時、弊社社長の藤井より、会社のさらなる成長に向けた将来的な「人事評価制度の改革」「人材育成の改善」「第三者検証分野のタスクの作成」の指示を受け、改革改善の検討チームを発足させました。その頃、タイミングが良くiCD協会主催のワークショップが開催されると聞きまして、その会に参加したのがiCDのタスクに目を向けるキッカケとなりました。
 iCDを検討する前にはITSSを活用した目標管理制度を運用しておりましたが、技術職において「SEとはどういうことができる人物なのか」「基本設計ができるとは具体的に何ができることなのか」など、行動や成果物の視点で明確化されていなかったので、各自の目標設定の内容や、評価基準も不明瞭な状態でした。タスクとして、行動を定義することで、「できるという基準」が定まるイメージが持てました。また技術部門以外の経理、総務、人事、営業事務等の管理部門のタスクもiCDには存在するので、iCDを採用すれば基本的な業務の見える化ができ、さらには責任所在も明確になると考え全社導入を考えました。

 常務取締役 人事本部 本部長 大熊 浩 様

iCDをどのように活用されていますでしょうか

人事本部 人事採用・教育担当 キャリアコンサルタント 山本 大地 様

 スキルの可視化により自己の能力把握として活用しています。これまで第三者検証分野(受け入れテスト)のタスクは存在していなかったので、自社で第三者検証分野のタスクを作成しました。(小項目:64件、評価項目:222件)これにより検証技術者のスキルも可視化出来るようになりましたので、より実際の業務に見合った能力把握を全社的に行えるようになりました。

 それから、能力発揮度目標にタスクアップ目標を3~5個入れているので、年2回の1on1MTGでの進捗度を自己評価、成長度合いを上長と確認を行い、人事評価としても活用をしています。
 iCDを活用し始めてから、個人のスキルをより業務のタスクに関連して確認できるようになり、「スキルの可視化・目標設定・面談で確認・結果の分析」の流れをスムーズに進められるようになりました。また、弊社の面談は、目標設定することが目的ではなく、「キャリア(スキル)アップを一緒に考えること」が目的となっていますので、現在実施している業務や将来の業務をiCDのタスクという共通言語で話ができるようになり、より具体的な内容でキャリア(スキル)アップについてスムーズに会話ができるようになりました。iCDのタスクそのものがキャリアの道標になっていると思います。

取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。

1.「トップダウン」で進められてきていること
2. 社員が自分のスキルの可視化について賛同が多かったこと
3. 社員が目標設定・面談での確認が共通言語で話ができるようになるということでiCD導入に理解があったこと

が代表的なポイントになります。

 iCD導入当初は、社内全体の状況を把握したかったため、全社員に全タスク項目の診断をお願いしました。小項目で552件、評価項目で2,075件あり、弊社は評価項目での診断を実施しておりますので、かなりの反発がありました。それでも会社の方針としてトップダウンで進めました。経験豊富なベテランクラスになると、診断だけで5時間近くかかり不満の声もありましたが、徐々に本人のキャリアアップを目指す重点領域に絞り込んで範囲を狭めることで社員にとっても納得感がある運用になっていると思います。
 その結果、自分のスキルの可視化や、キャリア面談でタスクで話をするという共通言語として定着することへつながっています。

iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか

  1. 能力発揮度目標にタスクアップ目標を3~5個入れているので個人別のスキルが上がってきている
  2. 今までやっていなかったタスクについても興味を持ち始めることが多くなった
  3. 上長が「育成すること」について具体的なアドバイスが出来るようになった

これらが変化したことだと思います。
 iCDを導入してから、目標設定で具体的にタスクのレベルを目標値として設定するようになりましたので、確実にタスクのレベルは上がってきています。上司も部下の指導をタスクとレベルでサポートできるようになりましたので、不明瞭性がなくなり、面談をスムーズに進められているようです。また、全タスクリストを公開しているので、自分が今現在関わっていないタスクも目にする機会があり、社員からは、例えばテストの自動化のタスク領域も経験してみたいと手をあげてくる技術者もでてくるようになりました。

今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか

 自己の成長は、自身のコントロールによってもたらされますので、タスクを診断して、伸ばすべきタスクを明確にし、自らそれを伸ばす方法を考えて実行できる人財になってもらいたいと思っております。上長とキャリア(スキル)アップを一緒に考えることにより、目標達成のために行動を継続する「セルフコントロール」が定着するような環境をさらに強化して参りたいと思っています。

 また、これまでの取り組みで、技術部門、経理、総務、人事、営業事務等の管理部門の業務については可視化することができました。これから力を入れたい部分は、マネージメントやリーダーシップのようなヒューマン領域についてもさらに明確にしていきたいと思っています。業務のレベルを上げることに加え、チームや組織を牽引するレベルを上げることができれば、会社としてさらに成果をあげることができるだろうと期待をしている部分です。

 これらの取り組みに力を入れて、「成長を実感できる会社」と思ってもらえるように、引き続き取り組んでいきたいと思います。

 

※ 十分な距離を開けて取材をさせて頂いております。