ゼロから始めたIT事業をiCDで可視化・拡大
採用強化・離職防止・営業活用まで、フル活用の5年間

会社のご紹介
セントラルエンジニアリング株式会社様は、防災・セキュリティ関連商品の開発・設計・製造・販売をはじめ、各種通信システム機器や電気・電子関連機器の設計・開発、自動車・精密機器・航空機・宇宙機器等の設計開発、さらには発電・石油化学等各種プラントおよび建築設備の設計・施工管理まで、幅広い技術領域をカバーする総合エンジニアリング企業です。
セントラルエンジニアリング株式会社
設立:1962年12月
従業員数:1,234名(2026年3月現在)
事業内容:機械・電気・プラント設備・ITサービス(技術者派遣・SES)
取り組みについてお伺いさせてください
一言で言うと「事業を拡大する取り組みの一つとして iCD を活用している」ということです。今ちょうど5年目のサイクルに入っていますが、ゼロベースから IT サービス事業を始めたときに「何からやればいいか」と悩んでいました。そのときに iCD のフレームワークに全部落ちていて、それを実直にやっていったら、数字も組織の大きさも含め大きくなっていきました。
当社の事業は機械・電気・プラント設備と IT という5つの領域があって、iCD を活用しているのは主に IT の領域です。5年前は IT サービス部門に10人もいなかったのですが、それが今では全社約1,234名のうち約10%、120〜130名規模にまで育ちました。この10%まで伸びたのは、まさに iCD をやり始めてからの話です。
もともと当社は電気から始まった会社で、「IT (アイティ)のアの字もない」状態からスタートしました。自動化・DX の波が押し寄せてきて、「これからは IT もやっていかないとダメだね」となったものの、どうやっていいかわからない。そこに iCD が天の声みたいな形で入ってきた、というのが正直なところです。
iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください
きっかけはご紹介です。とある教育事業会社さんと話をしていたとき、私が「IT の事業基盤をどう構築するか」という課題に直面していたので、その話をしたら、「iCDを活用するのが一番手っ取り早いよ」と教えて頂きました。それが最初のきっかけでした。
その後、ワークショップに参加させて頂きました。iCD の「I の字」から丁寧に教わりました。言葉の意味から全部教えていただいたので、本当にゼロからのスタートでした。それが5年前の話です。 IT 事業もゼロから始めたばかりのタイミングだったので、言葉を選ばず言うと「未開の地が非常に大きかった」です。フレームワークを当てはめていくだけで良かったので、棚卸しも含めスタートダッシュがしやすかったです。

iCDをどのように活用されていますでしょうか

一つは、営業活動の中での宣伝・アピールですね。タスクディクショナリーやスキルディクショナリーで明確に可視化したものをお客様にお見せしています。
特にヒートマップは重宝していて、会社紹介の場面でお客様に「我々ってこういう分野の社員が結構いますよ」というのを見ていただくと、「ちょうどうちの事業に合ってるね」「合ってないね」っていう会話ができる。iCD をやっていなかったら、そもそもヒートマップ自体作ることもないですから。これも活用の一つだと思っています。
採用では、iCD を前面に打ち出すと面白いことが起きます。「iCD ってなんですか?」って聞かれるのが逆にチャンス。転職してくる方ってもともといた会社に不満があるわけですよね。給与の不満、やっている仕事の不満、やりたいことが通じない——それが全部 iCD に落ちているので、「じゃああなたのやりたいことはこれですよね」って書類を使いながら見せてあげられます。
実際に、大手から内定をもらっていた方があえてうちを選んでくれたケースもありまして、アンケートを取ると「iCD の話が刺さりました」。これは本当に嬉しかったですね。
採用が「入ってくる」話なら、離職防止は「出ていかない」話ですね。年2回は最低でも社員面談をやって、「半年後どうなりたい?3年後は?5年後は?」という話をします。社員の未来のキャリアマップのレールをiCDで敷いてあげる(つまり)社員と未来の話ができるので、急に辞めるということがなくなりました。
社員の評価・等級制度にも iCD を組み込んでいて、「あなたは今ここ、一つ上に行きたいならここができているかどうかが条件ですよ」と言い切ることができます。私が言い切れるのは iCD で定義されているからなのです。それがちゃんと仕組みとして機能しています。
取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。
まず大きかったのは、ゼロベースからのスタートだったことです。既存のスキル標準でうまくいかなかったというトラウマがなかったし、棚卸しする領域も少ないので、スタートダッシュしやすかった。当てはめていけばいいだけでしたから、作りやすかったです。
最初の壁はヒートマップを作ったときです。10人くらいの社員数でヒートマップを作ると、5分でできてしまいます。「これじゃさすがに表に出せないな」と思っていたのですが、そこを割り切って「やっています!」という姿勢に切り替えました。それが一番の壁の突破口でした。
あとは、iCD 協会の方々が「どんな形になっても間違いじゃないですよ」と認めてくださったこと。これは本当に助かりました。当社の実態に合わせていい、と言ってもらえると、絵が描けるというか筆が進むというか、そういったやりやすさがありました。
経営層の巻き込みも大事で、社長を含めた経営会議で「今 iCD の取り組みはこういう状態です」と定期的に報告しています。結果として「認証がランクアップしている」という目に見える成果を積み重ねることで、「やり続けなさい」という後押しをいただいています。
社内の味方を作り続けることも、すごく大事だと思っています。私が営業でも採用でも面談でも学校訪問でも、iCD の話をし続けているうちに「なんかいいもんだよね」という空気が社内外に広がってきた感じです。

iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか

一番大きいのは「社員が辞めない」ことですね。穴の開いた瓶みたいなもので、ポツポツと辞める人が出始めたらいくら社員が入社してもプラスマイナスゼロですね。それが今はビシッと塞がっている感じです。人を入れて増やすだけ、という状態になってきています。
以前の評価は、「お客様から単価を上げてもらったから何円還元」とか、「上司に気に入られているから昇給」のような曖昧なものでした。それが iCD の等級定義をもとに「あなたは今ここで、次はここができたら昇給する」と言い切れるようになりました。評価される側も「ちゃんと見てもらえている」と感じてくれるので、納得感が全然違います。
採用面でも変化がありました。シニア層、60歳以上の方の採用にも成功しています。この業界は年齢で弾かれることが多いのですが、iCD を活用して「今まであなたがやってきたことはこういうスキルですよね、これから5年・10年こういうタスクで活躍してほしい」という話ができると、「この会社なら自分の経験を正当に評価してもらえる」って内定を受けていただけることが増えてきました。
ヒートマップの経年変化でエンジニアの成長も見えるようになって、「レベル1・2が少なくなって、3・4が増えてきた」というのが数字でわかる。個々の成長が積み上がって、事業の成長になっている。そういうロジックが見えるようになったのは大きな変化ですね。
この5年間ずっと「何のためにやってるの?」と言われ続けてきたのですが、「社員が辞めないようになりました」「採用がうまくいきました」「スキルがこれだけ上がりました」——それが全部 iCD をやっているからだと言えるようになった。誰も文句を言わなくなりましたね。
今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか
一番チャレンジしたいのは人的資本経営ですね。ただ、これは私が担当している IT 部門だけじゃなくて、電気・機械・経理まで全社的に波及する話なので、正直時間はかかると思っています。まず自分自身が「人的資本って何をしたいの?」というインプットをちゃんとして、会社全体に共感できる基盤を作っていかないといけない。
もう一つは、採用のタスクディクショナリーを取り入れたいと思っています。去年できたばかりのものなのですが、採用の責任者を連れてイベントに行ったら「まさに我々が採用したいと思っていることが全部ここに入っている」と共感してもらえて。採用業務を iCD に取り入れることで、うちの採用プロセス自体も整理できると思っています。
AI の活用も課題で、ここも iCD のフレームワークに乗せて「何をどれだけやればいいか」を体系化できたら、一番スムーズだと思っています。
IT 以外の部門——製造や農業分野など——へのタスク定義拡大も進めていきたいですね。IT 部門での成功事例が積み重なってきたので、それを横に展開していく説明はしやすくなってきました。みんな忙しい中どれだけ協力してもらえるかが一番の壁なんですけど、それでも動かしていきたいと思っています。
