学びの場プラットフォームにiCDを積極活用
エンジニアの自律的な学びを科学的にサポート

工藤 様 馬路 様 寺島 様

会社のご紹介
 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)様は、コンサルティングから設計・構築、開発、運用・保守まで、ITライフサイクル全体を一貫して支援する総合ITサービス企業です。先進技術を柔軟に組み合わせ、DXの推進や社会課題の解決に取り組み、「明日を支える人材の創出」を重要課題に掲げています。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
設立:1979年7月(創立1972年4月)
従業員数:単体6,425名、CTCグループ12,862名(2026年4月現在)
事業内容:クラウド、AI、データ分析、サイバーセキュリティなどのシステム販売・構築、コンサルティングから運用・保守までのITライフサイクル全体の支援、科学・工学系ITサービスの提供

URL:https://www.ctc-g.co.jp/

取り組みについてお伺いさせてください

 企業のマテリアリティの一つである「明日を支える人材の創出」を具現化する施策として、2023年度からエンジニア育成施策「学びの場プラットフォーム」を展開しています。本取り組みは、エンジニア一人ひとりが自身の現在地(スキル)と目指す姿(キャリア)を客観的に把握できる環境を整えることを目的としています。タレントマネジメントシステムと情報発信ポータルを組み合わせたデジタル基盤を中核とし、スキル情報や個人の学習計画、研修、キャリアモデルなどの情報を一元化しています。この基盤を通じて、エンジニア一人ひとりの自律的な学びと成長を支援し、その成果を企業の競争力および付加価値の向上につなげています。

 

iCDをご導入いただいたキッカケを教えてください

 長年、ITSS(ITスキル標準)を活用し、エンジニアのスキル体系化と可視化に取り組んできました。「学びの場プラットフォーム」の立ち上げに際し、これまでの知見を基盤としつつ、実務における役割やタスクとの関係性をより明確に整理できる枠組みとして、iCDを採用しました。タスクとスキルを体系的に整理でき、スキルの棚卸しや可視化に適した枠組みだと考えています。また、導入支援や継続的なタスクディクショナリの拡充など、運用フェーズまで見据えたiCD協会の支援体制が整っていたことも、安心して採用できた理由の一つです。最終的には、ワークショップに参加したメンバーが「自分たちのスキルを測れる・可視化できる」と実感を得られた点が、導入の決め手となりました。

 

 

テクノロジー戦略グループ 技術戦略本部 イノベーション戦略部 部長 工藤 大雅 様

iCDをどのように活用されていますでしょうか

テクノロジー戦略グループ 技術戦略本部 学びの場プラットフォーム推進課
課長 馬路 真理恵 様

 iCDタスクディクショナリを基に、エンジニアの役割を体系的に定義し、全社共通の「スキルのモノサシ」として活用しています。エンジニアは自身のタスク遂行能力をシステムに登録し、スキルの棚卸しを行います。登録された情報はレーダーチャートとして可視化され、強みや課題を客観的に把握するための「学びの起点」となっています。社員一人ひとりが自身の役割やタスクとスキルの関係性を理解し、現在地を把握するためのよりどころとするとともに、約40種類に分類したエンジニア職種定義とiCDの熟達度を組み合わせ、人材ポートフォリオを構築し、異動やプロジェクトアサイン検討などにも活用しています。個人のスキルデータと組織戦略を結びつける仕組みとして、iCDはCTCの人材育成を支える重要な役割を果たしています。

 

取り組みがスムーズに進められているポイントを教えてください。

 本取り組みが継続的に推進できている背景には、仕組みと体制が連動している点があります。各事業グループを代表するエンジニア責任者を中心に、約70名からなる推進体制を構築しています。全社人事部門に加え、各事業グループにおいて事業戦略と人材戦略の両面を担う企画統括部門とも連携しながら、技術戦略と人材戦略を結びつけて進めています。
 また、2019年から続くエンジニアコミュニティの存在も、取り組みを支える重要な基盤となっています。組織を越えて最先端技術を共有し合う場があることで、学びが自然に広がり、互いに高め合う文化が育まれてきました。こうした組織文化とコミュニティの力が、プラットフォームの活用を後押しし、取り組みをスムーズに前進させています。
 導入後も現場での使われ方を踏まえながら活用の幅が広がるよう改善を重ねています。エンジニア自身が『自分にとってどんなメリットがあるのか』をより実感できるようにすることや、スキルの棚卸しのための負荷を少しでも軽減できるよう、全体的な見直しをしているところです。欲張りすぎず、目的の軸をぶらさずに優先度を見極め、着実に進めることが大切だと感じています。

テクノロジー戦略グループ 技術戦略本部 イノベーション戦略部
学びの場プラットフォーム推進課 寺島 由加 様

iCDをご導入されて変化したことはどのようなことでしょうか

 iCDの導入を通じて、エンジニア育成の基盤が大きく進化しました。役割・タスク・熟達度の整理と学びのサイクルが連動したことで、社員一人ひとりの状況や成長段階をよりきめ細かく捉えられるようになり、業務や育成における次の一歩を考える視点が深まりました。また、人材マップにより部門ごとのスキル構成を俯瞰できるようになり、異動者の状況把握やプロジェクトアサイン時の判断材料としても活用が進んでいます。一人当たりの学習時間の増加といった定量的な変化にも、学習意欲の高まりが表れています。
 iCDを基盤としたスキル可視化と育成の仕組みが、エンジニアの自律的な学びを後押しし、組織全体の成長を支える力となっています。また、「共通言語ができた」という声も印象的です。同じスキル定義のもとで上司と本人が対話することで、相互理解が深まり、学びへの取り組みが「自分ごと」になってきています。

今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか

 まず直近では、エンジニア自身が『自分にとって意義がある』とさらに実感できるよう、本取り組みの浸透を図る社内への働きかけを強化することです。
 そして、蓄積してきたスキルデータをより活用しやすくする基盤づくりを進めたいと考えています。現状、データの抽出や集計には人手がかかっているため、よりスムーズな運用の実現を目指します。科学的なスキルの可視化と、CTCが培ってきた挑戦する文化・コミュニティの力を掛け合わせ、スキルや学びを起点に、個人の成長が業務や育成につながり、その成果が組織に還元される状態をさらに強化していきます。そして、個人の成長と組織の成長が循環する「学びのエコシステム」の確立を目指していきます。